Withコロナ(コロナと共存する)時代のコミュニケーションについて考えてみたいと思います。皆様も日常生活の中でのコミュニケーションは大きく変わったのではないでしょうか。近くのコンビニやスーパーに行ってもビニールのシールドがレジにありますし、歯医者や美容院に行った時には体温を測られたりします。弊社が入っているシェアオフィスでは受付にもシールドが置かれていますし、会議室も定員の半分と人数制限があり、こちらにもビニールの仕切りがテーブルの真ん中に置かれています。対面での会話が制限されているのが良く分かります。
宿泊施設のコロナ対策として手洗い、マスク、換気はもちろん三密を避ける、対面での会話は距離を取る、きちんと消毒をする等が必要になってきます。全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本旅館協会、全日本シティホテル連盟は2020年5月14日に「宿泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン(第1版)」を発表しています。具体的な感染防止対策が書いてあるので参考になります。
ガイドラインであまり触れていない内容で宿泊施設として行うべきことは、事前にお客様の体調や渡航歴等を確認することです。ビジネスおよび従業員を守るためにも、宿泊されるお客様が感染している可能性がないかを確認することは大事になってきます。LINEで厚生労働省が行った調査のような形で、現在の体調を確認することはお客様にとってもメリットがあることです。出張でホテルに到着したはいいものの、熱を測られて宿泊をお断りされたら、行き場所が無くなってしまいます。宿泊施設によってはきちんと隔離するためのお部屋を用意し、保健所に連絡するという対応が出来るところもあると思いますが、注意するに越したことはありません。海外のお客様であれば尚更大変なことになります。
そのため、お互いのためにきちんとコミュニケーションを取ることをお勧めします。方法としては宿泊前のアンケートやメッセージングツール、チャットボット等を使用するのが良いと思います。弊社が提供するオンラインアンケートはこれまでチェックアウト後に送るのが一般的でしたが、今後宿泊前でのコミュニケーションが大事になりますので、使い方を工夫してみてはいかがでしょうか。とにかく、事前にお客様とコミュニケーションを取るための手段を確保するのが大事になってきます。携帯番号が分かる場合は、SMSという手段もあります。
チェックイン時については自動化が一番良い対応だと思いますが、いきなり自動化するのは難しいので、出来る限り短時間で簡潔に行うのが理想です。フロントカウンターでチェックインする場合、宿泊者との距離を保つまたはアクリル板・ビニールカーテンで遮蔽することをガイドラインは推奨しています。また、三密を避けるためにも客室でのチェックイン対応を奨めています。
どちらの対応をするにしても短時間でチェックインを行うためには、レジカードの情報を事前に取得することが大事になります。対応策としては、先ほどの体調確認と同じで、ここでも到着前にお客様の情報を入力してもらうのが良いと思います。オンラインで取得した情報がそのままレジカードに反映されるのが宿泊施設にとって理想だと思いますが、システム上難しい場合は宿泊前のアンケートやメッセージングツール、チャットボットを使って集めるのが良いと思います。その上でPMSに手入力して行くことになり大変ですが、「従業員を守る」、「お客様を守る」ことが優先されるべきだと思っています。
さて次に滞在中ですが、ここでもこれまでのコミュケーションではなく、非対面で簡単に出来る方法が望まれます。全く接触が無いコミュニケーションはGoogle Nest, Amazon Echo等のスマートスピーカーだと思いますが、まだ客室に入れている宿泊施設は少ないのが実情です。タブレットを客室に設置している場合、タブレット経由でのコミュニケーションも有効な手段ですし、今後増えて行くと思っています。プッシュ通知等を駆使することで、施設側からのコミュニケーションが可能になります。それ以外の方法としては電話がありますが、電話の場合施設側からアプローチするのが難しく受け身になります。
我々が現在実験中で開発中なのが、滞在中の声を集めるアンケートになります。どのように行うかと言いますと、例えば宿泊施設に到着して多くのお客様が最初に行うことがWiFiにログインすることですから、WiFiログインのランディングページでお客様のパルスチェック(簡易アンケート)を行う方法です。「お部屋は清潔で快適にお過ごしいただけそうでしょうか?」といった簡単な質問で会話をスタートさせることにより、ホテル側から積極的にコミュニーションを行うことが出来るようになります。それ以外では、客室に「ご連絡はこちら!」という形でQRコードを設置し、そこから問い合わせを頂く方法です。電話の方が早いと思われる方もいると思いますが、最近ではオンラインの方が言いたいことが言えるということで好む人が多くなっています。このようなオンラインでのコミュニケーションが滞在中も増えると思っています。
滞在中の積極的なコミュニケーションにより、ホテル全体のクチコミスコアが上がるという結果も出ています。実際にアコーホテルズの複数のホテルでテストを行ったところ、クチコミスコアが3.84ポイント上昇し、施設によってはクチコミの件数が増えることが実証されました。前回のブログで書きましたとおり、今後選ばれる宿泊施設になるためにも評判というのは大事になってきます。現在のようなコミュニケーションの変換期に新しいことに取り組むのはいかがでしょうか?
これからのコミュニケーションは、宿泊されるお客様はもちろんのこと、従業員の安心、安全のためにも重要になってきます。また、コミュニケーション手段もリスクの少ない方法やお客様の利用しやすい手段を提供することが大事になります。我々もお客様の声を集め、分析するプラットフォームとして様々なニーズに対応していきたいと思っておりますので、お気軽にご連絡頂ければと思います。