2022年10月に旅行者の日本入国時の水際対策が緩和されましたが、その後訪日客は急増しており、東京都内でも観光を楽しむ海外の方をよく目にします。今回のブログでは、訪日客数や外国語クチコミ数などのデータをご紹介しながら、現在の訪日観光客とコロナ前(2019年)の訪日観光客との特徴の違いなどを見ていきたいと思います。
訪日客数の推移
10月11日より日本政府が個人旅行の受け入れや査証免除措置の再開等を実施したことを受け、10月の訪日客数 は49万8,600人と前月の20万6,500人から約倍以上の伸びとなりました。航空運賃や燃油代の高騰といった問題や、中国からの旅行者が戻っていないため、2019年10月時点の訪日客数に比べると約20%ほどの数ですが、着実に回復基調にあるといえます。

2022年訪日客数の国別割合では韓国がトップ
国別の訪日客数を見ると、韓国が最も多く、次いでベトナムという結果となっています。また上位10カ国のなかで9カ国がアジアの国・地域となっており、全体の約62%を占めていることがわかります。

まずはアジアの近場の国々からの訪日旅行が回復していることがうかがえます。今後、燃油サーチャージを含め、航空運賃が下がってくると、欧米各国からの訪日客も増えていくことが予想できます。
東京都内と大阪府内における外国語クチコミ数推移
訪日客の増加に伴い、外国語のクチコミ数も増えてきています。下記の図では、TrustYouの方で調査した東京都と大阪府の宿泊施設に投稿されたクチコミ数の推移をご紹介します。


日本語以外の外国語のクチコミ数は10月から急激に伸びています。12月11日時点での集計となりますが、最終的な12月のクチコミ数は11月を上回ることが予想されます。
これからの訪日客が日本に求めるものとは?
2023年に向けてさらなる増加が予想される訪日客ですが、コロナ前と比べ、そのニーズはどこが変化しているのでしょうか。下記の表は、電通報に掲載された訪日旅行意向者を対象にした調査(電通ジャパンブランド)から興味深い変化を見ることができます。

コロナ前(2019年調査)にトッ プだった「食」は上位から外れ、トップ3に「自然・景勝地観光」「四季の体感」が入っていることから、これから日本を訪れる 観光客は“自然”体験に高い関心を持っていることがわかります。また、東アジアからの訪日客に人気のあった「北海道」は、 2022年調査ではさらに人気が加速しており、加えて「沖縄」の人気も高まっているようです。
訪日客は何を見て日本に来るのか
また、海外旅行のための情報をどこで収集しているのかを調査した結果で最も多かったのは「YouTube」、2位が「家族、友人の口コミ」、3位が「Google」でした。1位がYouTubeという結果は、少し意外 に感じる方もいらっしゃるかもしれません。これらの情報源は国や地域により特徴があり、YouTubeは特にアメリカとタイで 1位ですが、イギリスでは「家族、友人の口コミ」が1位、YouTubeは7位という結果になっています。

このように観光客が何を元に情報収集をしているかを知ることが、訪日客の集客強化およびクチコミ管理対策のヒントになるかもしれません。さらに「何に期待をして来日をしているのか?」、お客様の期待値を事前に理解することが顧客満足度(CS)の向上にもつながります。